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2010年6月

2010年6月29日 (火)

d-torso のはじまり その4

 d-torsoのはじまり(その四)~田舎ライフのはじまり~


 引っ越すと決めてからは一気にコトが運びました。

 20年近く暮らしたとはいえ、東京には全く未練はありませんでしたから
 メンタル的には至極あっさりしたものでした。

 それよりもなによりも、事業自体の空白をつくるわけにはいかないので
 とにかく新しい事業所を探さなければなりません。
 

 (前回からのつづき)


 僕が生まれたのは大分県の国東半島にある安岐町というところです。

 町(まち)と名乗るのが恥ずかしいぐらいの小さな町で
 いまでこそ大分空港があり、進出企業の工場が点在する町ですが
 当時は農業と漁業が中心の(子供なりのイメージですが)
 日本国中どこにでもあるような、サビレきったところでした。


 父親は転勤族のサラリーマンだったので
 この安岐町には二歳半くらいまでしか住んでおらず、
 以後二年ごとの引っ越しを繰り返し、
 安岐町の祖父母が住む実家に帰るのは盆と正月くらいのものでした。


 当然、幼なじみと言えるような友人もいないので
 いざ物件を探す段になると、ツテというのは
 両親の知り合いくらいしかいなくて・・・かなり難航しましたが
 たまたま隣町のお醤油屋さんの倉庫が空くということで
 すぐさま契約を結び、レーザー機とパソコンを運び込みました。


 倉庫はスレート葺き、夏はかなりの高温になるので
 建物の中にホームセンターで買ってきた材料をツギハギして小屋をつくり
 そこに空調機を引き込んでレーザー室にしました。


 とりあえず、これで生産体制はできたわけです。
 

 さて、次は家を探さなければなりません。


 引っ越した当初は実家の二階に寝泊まりしていましたが
 妻も一ヶ月遅れで越してくるのでそうそうゆっくりしてはいられない。。。

 数少ない不動産情報をあたって見つけたのは
 山の中の一軒家(たぶん、間違って建てられたモデルルーム)でした。
 東京の住宅事情を思えば破格の家賃で、庭付きで堂々の4LDKです。
 近隣は同じようなつくりの家が両隣に一軒ずつ、
 その他は広大な空き地でした。

 ここはミカン山を削ってつくった造成地で、四方も山と田んぼだけです。

 >>> 間違って建てられたと言ったのは、
 私たちが出て行った後もいまだに契約者がいない・・・
 最初の三軒(モデルルーム含む)限りの住宅地だからです。
 <<< デベロッパーの思惑が外れたんですね。


 でも自然環境は抜群です。空気は美味しいし、朝夕の山の景色は
 言葉にできないほど美しい。

 東京から越して来た身としては、これこそが「人間らしい生活」なんだと、
 その当時は思ったものです。


 しかし、ここで大きな問題がひとつ。 >>> 車がない。

 ・・・そもそも僕は運転免許を持っていなかったのです。


 言うまでもなく、田舎ライフで自動車は必須です。
 車が無いと生きていけない、といっても過言ではありません。
 なにしろ、スーパーに行くのも、歩けば50分くらいかかるところですから。

 そこで、しばらくは自転車で隣町の工場まで往復しながら
 夕方から自動車教習所へ通う日々が続きました。

 (今から思えばとっても健康的な日々でした)


 そんなこんなで、やっと免許を取って仕事にも生活にも慣れてきた
 その年の夏頃、
 
 一本の電話がありました。


 それは日本産業デザイン振興会からの電話でした。


 この財団法人、言わずと知れたグッドデザイン賞を運営する団体です。
 当然それは僕も知っていましたが。

 その年グッドデザイン賞に応募していたわけでもなく
 まさに唐突な(タナボタの)知らせでした。

 「グッドデザイン賞の事務局ですが・・・

 この度、審査員推薦枠で御社の製品(d-torso)がグッドデザイン賞に

 ノミネートされました。お受けになりますか?」


 (そのとき初めて知ったけど、一般応募とは別に毎年審査員が
 推薦する製品があるとのことでした)
 

 まず、どこの誰が推薦してくれたのか? そもそも、それが不思議でした。

 だって・・・大分に移って細々と仕事をしていたその時点では
 d-torsoの出荷総数は累計100体にも満たないくらいだったのですから。
 え? d-torso 何処で見たの? という感じです。


 だから僕にとってはデザインが評価されたということよりも
 まずプロダクトとして、工業製品として認めてくれたんだ、
 という喜びのほうがはるかに大きかったのです。

 設計、製造、梱包、発送、すべて僕がひとりで行う、
 たった一人のメーカーですから。

 しかも「ド」がつくような田舎の醤油やの倉庫のなかで。

 その年初めて行われたグッドデザイン賞受賞製品の内覧会の
 一般人気投票でd-torsoは第7位になりました。
 トヨタのソアラが第6位ですから、
 総数1300製品のなかの7位は我ながら誇れる数字です。

 また、デザイナーの山中俊治さんが著書の中でd-torsoについて
 好評してくれたり、当時審査委員長だった川崎和男さんを特集した
 NHKスペシャルでもd-torsoが紹介されたりして、家族でで喜んだのを
 思い出します。


 どこのどなたが推薦してくれたのか、これは今でも謎ですが
 感謝 。。。。です。


 グッドデザイン賞を受賞したからといって
 売上げが伸びる、といったものでは決して無いのですが
 (世間では勘違いされがちですけど)

 それでもこの受賞はアキ工作社にとってひとつのターニングポイントに
 なったと思います。


 これは自分自身にとっても同様で、
 評価されるということの意味をはじめて知りました。
 
 若い頃は他人の評価は関係ないヨ!とカッコつけていましたが
 かえって謙虚に受け止められるようになったような気がします。

 あいかわらずの一人メーカーの時代がこのあとも3年以上つづきますが
 このあたりから、僕のまわりの景色が急速に変わり始めます。


 その辺のお話は次の号で。
 

 (次回につづく)


 今回は長くなりすぎてすみません。
 仕事はヒマだったけど濃い時間でした。
 この続きは次回、わたしの当番のd-torso NEWSにて。

 お楽しみに!

 以上はメルマガに連載中の「d-torso のはじまり」の第四回目配信です。

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2010年6月20日 (日)

d-torso のはじまり その3

 d-torsoのはじまり(その三)~d-torso 製品化への道のり~


 d-torso 初号機をカッターで切り出して組立てたときは
 泣きたくなるほどたいへんでしたが、

 製品として量産化するということは、
 手作業とは全く種類の異なった問題があるのです。

 私自身も、それまではなにげなく使っていた工業製品の数々を
 あらためて見直すことになりました。


 (前回からのつづき)


 段ボールを「切る」方法を試行錯誤した結果、
 最終的にレーザーに行き着いたのですが
 レーザーが紙を焦がすという問題は依然として未解決でした。

 そして最終的には d-torso 専用のレーザーカッターをつくる必要がある、
 というところに行き着くのです。

 そのきっかけになったのは、ある人物との出会いでした。

 尼崎彫刻工業の現会長、荻野寛一郎氏です。


 当時はアマテックというレーザー専門の別会社があって
 私はネット検索でこの会社を発見し、はじめて電話したのです。
 ・・・11年前のことです。   

 折しも荻野社長(当時)が数日後に東京出張の予定があるということで
 当時私が住んでいた柏市までアシをのばしてもらいました。

 柏駅前のとある喫茶店で待合せし、私はd-torsoの1/3縮尺模型を持って
 行ったのです。
 
 
 「こんなものを作りたいんですけど・・・・」


 それまでの制作の経緯を説明し、焦げの問題、コストの問題などなど
 レーザーのもっとも基本的なところから教えてもらいました。
 そして、荻野氏ご自身の経歴についても。

 驚いたことに、レーザー機械は発振器以外すべて荻野氏が自分で設計し、
 組みたてているのだということ。それもほとんど独学で。
 

 (>>> 荻野会長の人となりについてはいつかブログでご紹介します)


 最初はアマテックに賃加工で製造を発注していたのですが
 開発のスピードを上げるためにはどうしても手もとにレーザーが欲しい。

 それでアマッテックが使っていた中古のレーザーを改造してもらって
 段ボール専用のレーザーカッターを製作してもらったのです。

 段ボールの焦げを最小限に抑えるためにレーザーの出力とスピード、
 そしてアシストエアのバランスが肝になりました。


 注)アシストエア=レーザー光線を射出するとき、同時に圧縮空気を
   切断箇所に吹き付ける


 これがd-torsoレーザーの一号機で、以来この10年間で4台のレーザー機を
 製作してもらいました。もちろん新しくなるたびに性能も上がり、
 最新機は一号機と比べて、10倍以上のスピードが出せるようになっています。

 

 そしてこのレーザー設備一式、当時の価格は約500万円。
 立ち上げたばかりのアキ工作社にとって、はじめての大きい投資でした。

 会社と言っても私一人なので、この先事業として成り立つかどうかわからない。
 d-torsoにそんな大金をつぎ込んでいいのか?

 当然周りの反対意見もあったのですが、私としてはレーザー機がないと
 これ以上先に進めないと感じていたので、なんとか資金をかき集めて購入しま
 した。

 当時わたしは友人のアーティスト、デザイナーと三人で羽田の廃業した町工場を
 借りてスタジオにしていて、このレーザー機はそこに置くことになりました。
 そして、いざ自社生産というときに・・・


 ・・・問題発生。


 実際レーザーを稼働させ始めると騒音がことのほか大きいのです。
 レーザー自体のキーーンという高周波と
 コンプレッサーのドッドッドッ・・・という重低音。
 鉄骨造の建物ではとくに響きます。

 同居のメンバーからも苦情が出てきて
 やむなく引っ越しすることになりました。

 東京都内でも作業場になる物件をいろいろと探しました。
 でも・・・あるにはあるが、家賃が高すぎる。


 いっそ、実家のある安岐町(大分国東市)に帰ろうか!


 (もともと会社の登記は安岐町で行っており>>>だからアキ工作社
 ゆくゆくは田舎に引っ越すつもりではあったのですが)


 ・・・ということで、そこは思い切りよく
 翌月には引っ越しのはこびとなりました。
 2001年2月のことです。

 故郷と言っても、私自身は3歳くらいまでしか住んでおらず
 幼なじみといえる友人もいません。老いた両親が住んでいるだけでした。

 その両親のツテで醤油屋さんの倉庫をお借りして
 そこにレーザーを設置し、田舎での生活&d-torso事業がスタートすることに
 なります。


 自社生産が可能な環境がようやくできました。

 極小サイズながらメーカーとしてのスタートです。


 (次回につづく)

 この続きは次回、わたしの当番のd-torso NEWSにて。

 お楽しみに!


以上はメルマガに連載中の「d-torso のはじまり」の第三回目配信です。

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2010年6月 1日 (火)

アキ工作社バーベキューパーティ

今週末、6月5日土曜日に開催予定のBBQパーティのご案内です。

ブログを見てくれている皆さま、過去のパーティー参加者、私の講義の受講生
皆さんにメールできなかったので、こちらに掲載します。

西武蔵地区の方もご遠慮無くご参加下さい。

お待ちしています。


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>>>みなさまご無沙汰しております。

恒例のアキ工作社バーベキューです。
今年は新しい事業所である旧西武蔵小学校舎&運動場で開催します。
お誘い合わせの上、お気軽にご参加下さい。


各 位


拝啓 風薫るきょうこの頃
皆様にはますますご活躍のこととお喜び申し上げます。

さて、アキ工作社では今年も恒例の夏祭りバーベキューパーティーを
新事業所である旧西武蔵小学校で開催いたします。

皆さま、お忙しいこととは存じますが、
お誘い合わせの上ご参加頂きますよう、お願い申し上げます。 敬具

2010年5月吉日

アキ工作社 代表取締役社長 松岡 勇樹


         記


1)日時 2010年6月5日土曜日 12時~17時(延長戦あり)

2)場所:アキ工作社両子山(ふたごさん)工場 旧西武蔵小学校

Yahoo地図(ナビは西武蔵小学校で登録してください)
http://stepup.yahoo.co.jp/gakkou/prim/main/32440196

3) 恒例のおひとりさま一品(飲み物 or 食べ物 or 一芸)持ちより
  パーティーです。お気兼ねなくご参加下さい。

*なお、お手数ですが、出欠のご連絡を返信していただければ
幸甚に存じます。

出席  欠席
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お名前
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ご連絡先電話番号
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松岡 勇樹
------------------------------------------------------- aki co., ltd.
アキ工作社 両子山工場
〒873-0355大分県国東市安岐町大字富清3209番地2
[tel] 0978-64-3002 [fax] 0978-64-3003

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