おおきな回転体
今週は課題の提出日。「おおきな回転体」はたして何人の学生が仕上げてくるか。とても楽しみにしていた。
天気がよかったので、野外に作品をならべて講評会をおこなった。
条件は、1)回転体である事。2)自分の身長を超える高さを有する事。この二つだけ。材料シートの大きさは決まっていて、500 x 900(mm)の2層段ボール(K6W)。設計段階でエスキースをチェック、CADで設計図面を描いて出力し、材料シートに貼付ける。そしてカッターを使って部品を切り出し、立体に組みたてる。
日本文理大学工学部建築学科、一年生の後期課題。最終的に履修者は30人くらい。この日までの制作期間は3コマ(270分)x8週間。講評会に作品を提出してきたのは20人ほどだった。
この演習課題の意図は、自分の身長を超えるサイズの立体造形を小さい部材の組み合せでつくることにある。講義科目はスペースデザイン演習ということでもあるし、対象が一年生ということもあって、設計はシンプルに、製作により時間をかけるようにした。
この日は晴れていたが、少し風があり、ひとがサポートしてやらないと倒れてしまいそうなものがほとんどだった。
▲なかには3Mを超える作品もある。単純にサイズが大きいということだけでも、見栄えがする。しかもこの作品は構造的にもよくできている。
▲皆それぞれにセットアップに時間がかかっているが、これは風の所為だ。大きさに比べて自重が軽いので、苦労している。
▲製作途中で下部が崩壊してしまった作品も多かった。完全に組み上がってしまうと安定するのだが、組立て途中のほうが部分的に大きな力がかかるのだ。回転体の特性をよく表現しているのに、もったいなかった。
▲この作品は提出されたもののなかで最大の大きさ。内側と外側のリングを上下でつないでいる。造形的にも変化があって面白い。結果的に構造も強化され、ハイブリッド構造になっている。(外側の部材が引っぱり材になって、全体を安定させている)しかも長い縦部材を使ったため、水平方向にねじれが生じて、設計で意図していなかった面白さも加わった。>>>たいへん、よくできました◎。
▲これは郵便ポストをモチーフにした作品。私の予想を超えて面白いものになった。この作品の他にもファンタグレープの瓶、シャンパングラス等々、具体的なイメージから出発したものがいくつかあったが、仕上がりはなかなか興味深いものがあった。彼らが成功した理由は、細い部材を均等に配置することで全体としてフラットな空間をつくったこと。そして出来上がった造形物と元イメージとの差異が、見る人の位置をもずらしてしまう効果をもたらした。空間をデザインするということが、目の前にあるモノの形だけにとどまらず、記号として広がりのあるものだという事がよくわかる。ふだん、私自身の事業のなかで行っている作業そのものだが、あらためて学生に教えられたような気がする。

▲実際に手を動かしてつくりながら、間違いを発見し、設計を修正する。その繰り返しが重要なのです。

▲ん〜ッ。やりたい気持ちはよくわかるんだけど、評価の対象は回転体の部分だけですよ。とても打ち込んで作っていました。彼にとってはこれでよかったのかも。
これを持ちまして、足掛け2年のスペースデザイン講義終了です。(最後に工場の見学会はあるけれど)
学生の皆さん、ありがとう。
2、3日徹夜して仕上げた学生も多いと思います。お疲れさまでした。でも、期限内に仕上げるという事がとても大事なのです。自分で設計して、自分の手でつくる、間違ったら修正して、もういちどやりなおす。なんどもなんども愚直にくりかえす。この繰り返しがモノつくりの基本なのです。2年くらい建築の勉強をして、もういちど同じ課題をやってみたらいいでしょう。また違ったモノが見えるでしょうから。
サポートしてくれた助手のみなさん。ありがとうございました。
講評会につき合ってくれた近藤先生、西村先生、下島さん、寒いなか長時間ありがとうございました。
いろいろと勉強させてもらいました。私もこの講義をブラッシュアップしながら、またどこかで、別のかたちで継続していきたいと考えています。今後ともよろしくお願いします。

















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